
こんにちは。
当メディア運営者のシマです。
この記事をご覧になられている方はこんな人だと思ってます。
・みずほが副業解禁したのに驚いてる。
・メディアには出していない副業を解禁した本当の理由ってあるの?
今回は元メガバンク行員の私自ら、みずほの副業解禁理由はなぜか?本当のワケを元メガバンク行員が分析という事で色々と想いを巡らせて考えてみたいと思います。
みずほが公表した副業解禁理由
まずこのニュースを細かく見ていない人もいると思うので、
個人的な意見・見解を入れつつ、みずほが公表した副業解禁の理由についてサクッと紹介。
ちなみに本記事では
みずほFGではなく、みずほと表記します。
(FG付くと分かり辛いと思ったからですが、
一部では誤解を招かぬようにFG付けます)
みずほの副業解禁理由 新たなビジネスを創り出せる人材
みずほが公開している主な理由は副業や兼業によって金融以外の仕事に銀行員が触れる事で
様々なスキルを身に付けて新たなビジネスを創り出せる人材に育って欲しいからという
人材育成面を押し出しています。
みずほFGの坂井社長は
「金融のことだけを知っていれば良いという訳ではない」
と言ってますが、まさにその通りです。
みずほの副業解禁理由 他分野・他事業との繋がり
みずほの副業解禁理由について、明確な表現はされていませんが
他分野との繋がりも理由の1つであると考えられます。
週に3日間は銀行勤務で、2日間は別の企業に勤務するという形も一部で容認するとの事で、これって見方を変えると、
自発的にミニ出向を促す形ですよね。
要するにこの副業(というより兼業?)がしっかりみずほの中で成り立つと、現在は一部の出向者にしか無かった他分野・他事業との繋がりがどんどん構築される訳です。
現在は、過去18年で起こった事が1年で起こるマウスイヤーと言われているほどIT分野を中心に発展が著しいので、
このミニ出向によって得られるスキルをしっかりみずほ内で活用出来れば強いです。
後述しますが、個人的には副業解禁してもみずほにはあまり活きないのでは?とも思ってます。
みずほで副業するには、みずほ側からの承認が必要
公開されている情報を見る限り、
みずほで副業するにはみずほ側からの承認が必要と書いてあります。まあ、副業の承認制は多くの企業で採用されている方法ですが、
金融は少し状況が変わると考えてます。
要するにこれって
職場の上司や人事が承認する必要があるという事ですよね。
「私、副業します」
という事を言って承認してもらうのではなく、
「私は株式会社〇〇〇で〇〇をして、〇〇を得られる事を目的に副業をさせて頂きます」
みたいな感じで、
非常に固い形式で副業申請するものと思料。
副業について希望した社員に対して「みずほ」は本当に承認するのか?
これは個人的な意見です。
というかこの記事は個人的な意見ばかりですが。
副業について希望した社員に対して「みずほ」は本当に承認するのか?
という質問があったら、私は
「そんなわけがない」
と思います。
一応、共同通信から発表されている内容だと「
希望した社員の副業や兼業を認める考え」と書いてあるんですが、「
希望した全社員の」とは書いてないのも気になってます。
なぜ私は「そんなわけがない」と思うかと言うと、みずほだけでなく
メガバンクってマジで情報規制や人の囲い込み、更には出世に関するサラリーマン思考について重たいです。
もちろん金融なので情報規制が厳しいのは当たり前ですが。
しかし副業解禁だからと言って何でも承認する訳がないです。
・情報漏洩の懸念はないか?
・みずほに対して悪影響はないか?
・その副業って本当にみずほに役に立つ?
・今の仕事踏まえて副業して大丈夫?
・部下が副業したいと言った場合に自分(上司)の立場に影響ない?
みたいな様々な壁が立ち塞がります。
上司(中間管理職)の立場で考えると副業は認めたくないはず
早ければ2019年度後半には人事制度を改定して副業を認めると言っているものの、上記踏まえると
どう考えてもやりたい人がすぐにやれる訳がないです。
また、
銀行の悪しき習慣ですが先ほど少し書いた通り、
仮に副業したい行員がいたとしてもその上司が素直に認めるか?
と言えば
そんな訳がないと思っています。
・今の仕事を軽く見てるのか!
・やる気ないのか!
・そんな暇あるの?(ないよね?)
みたいな圧力を受けそうなことって想像に難くないですよね。笑
部下が副業すると上司が評価されるみたいな制度が出来れば話は別ですが・・・
まあ中間管理職の立場としてはそう言ってしまうのは仕方ない面もあります。
繰り返しになりますが、個人的意見であるものの副業について希望した社員に対して本当に承認するのか?という事に対しては
一部の人だけが容認されると思ってます。
あと、
営業職は副業ほぼ無理だと予想。
顧客が絡むので、マジで上司からは全力で反対される絵しか浮かんでません。
これ読んでるのがもし学生だったら覚えておいて欲しいんですが、3メガバンクとも規模の大小あれども入社後は全員営業でスタートです。なので入ってすぐに副業という淡い幻想を抱いているのであれば辞めた方がいいです。OBの話をしっかり聞いてみましょう。
みずほが副業を解禁した本当の理由を分析してみた
ここまで長くなってしまいましたが、みずほが副業を解禁した本当の理由について分析してみました。
みずほFGという定義って
銀行とか証券とか信託など全てのみずほグループの総称ですが、みずほFGの主軸は紛れもなくメガバンクであるみずほ銀行なので、このメガバンクに絞って今回考えています。
みずほというよりも、
最近のメガバンクって若手の人材流出(退職者)が非常に増えてます。
これは3メガバンク全てに共通していて、それぞれのメガバンクに務めている知人からも同じような話を聞いてます。
しかも、(私の存在は置いといて)メガバンクを退職した私の元同期に関して言えば、たまたまなのかもしれませんが
優秀な人である割合が非常に高いです。
コミュ力あって勉強が超出来たり、営業成績抜群だったり、海外赴任したり(数名)、お固い場所へ出向したり。
もちろん全然イケてない人もいましたが。
で、結局のところそのような状況が更に続くとどうなるかと言うと、
メガバンクには正直微妙な人が多く残る構造になるんですよね。
しかもこの変化が著しい環境下でぶら下がり精神が強い可能性の高い人達です。
もちろん、超優秀な人もいますが。
金融だけの仕事をし続けるのって「金融」が余程好きか、完全に染まらない限り、つまらない仕事が多いです。金融庁のせいで行動がかなり縛られているので。
辞めた同期からも
「つまらない」という声を多く聞きました。
また、私含めて
「副業」を理由としてメガバンクを辞めた人は一定数いることも事実です。
それは当然ながら銀行内でも
「最近、副業をして辞める社員が増えている・・・」
と議論されていたはずです。
今回発表されたみずほの副業解禁の狙いって、
人材育成はもちろん本音だと思うものの、もっと本音を出して言うと
優秀な人材流出を防ぎたい思惑があると考えています。
それくらい大きな理由がなければ副業解禁する説明なんて内部的につかないですし、人材流出を加味せずに打ち出している戦略であればかなりヤバいと思いますよ。
副業解禁によってみずほから人材流出する可能性
今回の発表に反して、残念ながらも
副業解禁によってみずほから人材流出する可能性は少なからずあると思ってます。
・ガチガチの金融に染まっていた中、事業会社で働いたら思った以上に楽しかった
・副業で稼ぎすぎてメガバンクグループで働く意味を失った
・副業/兼業先から個別の裏オファーがかかったのでメガバン辞めてそっちへ行く事にした
など、考えたら色々と出るはずです。
人材流出も目的なのでは?と思う人もいるかもしれませんが、3メガバンクとも打ち出している人員削減って
リストラではなくて、採用者数と定年退職者数の差分で年々人員が減るスキームなんですよね。
しかも
副業して楽しくなって稼ぎまくったり、他者から引き抜かれる人って当然ながら優秀である可能性が高いわけです。
金融で優秀だからと言って他業界で優秀かと言えばそうではないですが、やはりある程度は優秀側に寄ってくるのが当然の流れです。
優秀な人材を如何にして辞められずに囲い込むかは今後、3メガバンクにとって非常に重要な課題であると思ってます。
私は正直に言うと、出向していた総合商社から銀行へ帰任した時に
「銀行という組織、かなりやばい(危機感)」
「このまま銀行に残るのはまずい(勝負して青天井の収入欲しいし)」
と
本気で思ったので起業しました。
ちなみに、この記事を読んでる
銀行を辞めたい銀行員がいたら下記記事もオススメです。
>>
銀行員辞めたいなら辞めるべき!元メガバンカー総合職が断言する理由
極めて辛辣に書いてます。笑
副業解禁してもそのスキルは活かされないと思うワケ
上記では副業によって人材流出してしまうことを懸念していましたが、仮に副業解禁で様々なスキルや知識を身につけたからといって、
そのスキルはしっかりと本業で活きるかというと決してそんなことはないと思ってます。
もちろん、みずほFG社長が打ち出していた
「新たなビジネスを創り出せる人材」
というのが
他事業に関わる事によって生まれるのは事実です。
しかしながら、せっかく色々と身につけたところで
金融という縛りがあるとそれが100%発揮し辛い状況になるんです。
今の金融ってマニュアルが全てです。
マニュアル通りに進めることで、内部監査や金融庁の監査の目から逃れる事が出来ます。
出向していた私が銀行へ帰任してスキルが活きなかった経験談
私が出向先から銀行へ帰任して業務を進めていく中で、
身に付いたスキルが活きなかった実際の経験談があります。というかいくつもあるんですが分かりやすい経験を1つ話します。
私は出向先で経営に関連する様々なスキルを身に付けました。
その後、某上場企業を担当していたある日、
思いっきり経営改善出来そうな部分を見つけたんですよね。
それを先方に話すと「なるほどー!良いね」みたいな返答が帰って来ます。
会社側はそれをしっかり詰めて、改善する戦略を考えればかなり良い感じになるはずではあるんですが、この戦略って
実行されたところで銀行にとっては全くと言っていいほどメリットないんですよね。
喜ばれて顧客の経営状況が良くなって終わり。
もちろん個人的には嬉しいですよ。あと、そこから派生して色々な話を聞けたりするんですが、それって
出向した経験を活かした本質的な結果ではないわけです。
マニュアルに沿って動きつつ、銀行側にメリットがないと、
いくら面白くて様々な発想が出ても全く活きないというのが銀行へ帰任して感じたことの1つです。
自社のメリットを考えるのは経営観点上当然ですが。
取引先の事業を上向きに改善させるアイデアはいくらでも出てくる。
けどそれってやったところで銀行にメリットないのでやらない。
そんなジレンマはずっとありました。
金融業という括りでは新たなビジネス創出に限界がある
みずほは今後の副業解禁に伴って私と同じような境遇の人が出て来ます。残り2つのメガバンクも副業解禁したら同じです。
「新たなビジネスを創出」と言っても、
金融グループとして出来ることって結局は事業会社の裏側で資金支援するとかビジネスマッチングとか資金流の確保などで精一杯な面もあります。精一杯と言いつつ、そこがかなり大事だったりするんですけどね。
私がメガバンク時代に経営スキル習得を目的とした「新規ビジネスの戦略策定」を行う選抜制の長期プログラムに参加してました。
その時、
「金融業である自社としてどんな新規事業が出来るか?」を突き詰めれば突き詰めるほど、金融の限界を感じた自身の経験がありました。
銀行員が中小企業の経営を突然出来るのかは疑問
みずほだけでなく、三菱と三井にも同様の事が言えるんですが、
銀行員が副業・兼業という形で中小企業に突然出向して経営出来るのかは非常に大きな疑問があります。
みずほの場合には出向などにより「中小企業の経営も認める」と言ってますが、中小企業の経営陣をバカにしてると思ってます。
親族が経営している会社を指しているのであれば話は別ですが。
頭が凝り固まってる銀行員が突然経営するなんて無理です。
「学歴もあって金融知識のある銀行員なら中小企業の経営くらい出来るだろう」
みたいに考えていると受け取られても仕方ない気がしてます。
短い文章でしか今のところは発表されていないので本来の趣旨と違う解釈をしてしまっているかもしれませんが、声明発表する際にはしっかり内容を考えて欲しいです。
要するに
副業レベルで経営を学ばせるというスタンスという事なので、余計に気がかりな発表でした。
今回、長くなってしまいましたがこの辺で一度終わりたいと思います。
銀行員に関しての記事は下記に載せている以外にもいくつかあるので、是非とも一度ご覧頂ければ幸甚です。
悲惨な末路>>
残業代ぼったくりおじさんのお荷物社員 居場所も金もない記事が悲惨
適当情報の是正>>
銀行融資審査 法人個人のネット情報が超適当な件を元メガバン行員が是正
ぶっちゃけ>>
メガバンク(銀行)の出向と本当の平均年収を元メガバンカーが簡潔に暴露
それでは!
シマ